タシケントでウズ・ファミリーとランチ
タシケントの地下鉄は、駅ごとにコンセプトが違って、楽しい^^
チケットはプラスチック製の(使い古された)青いコイン!
入る時に改札口に入れるシステム。
なので降りるときは出るだけ。
さてさて、みなさん、覚えているでしょうか。
ブハラ行きの夜行列車で夕飯をご馳走してくれたおじちゃんが、日本語をしゃべれるおじちゃんを紹介してくれたことを。
メールでやり取りをし、「ちょうど今日は日曜日なので、うちの家族とランチをしましょう!」とお誘いしてくれたのだ。
どんなファミリーなんだろうとドキドキしながら地下鉄に乗り、待ち合わせのスーパーへ。
早めに着いたので、中をプラプラ。
品揃えは豊富だし、何でもきちんと個包装されている。
ずらっと並んだ商品を見ながら、都会に戻ってきたことを実感していると、
ロマンスグレイの長身スリムな中年男性と、フワフワヘアをポニーテールにしている可愛い5歳くらいの女の子が私の方に近寄ってきて、
「つきよ?」と話しかけてきた。
すごく優しそうな穏やかな笑顔。
ほのぼのした親子の雰囲気。
今日はステキなランチになる。
会ってすぐに確信。
「家族がレストランで待っているから、そこまで歩いて行こう」と歩き出す。
このジャイラットさんという方は、学生時代に日本に留学していたんだそう。
しばらく日本語をしゃべっていないというけれども、流暢で丁寧な日本語を話す。
そして、
「他に娘が2人いるんだ。14歳と10歳。今日は2人の英語の練習のために英語で会話をしてほしい。娘には国際的な人間に育ってほしいから、こういう機会を作っているんだ」とのミッションを授かる。
「え?当然のように英語がしゃべれると思っていらっしゃるけど、わたくしなんちゃって英語しかしゃべれないのでご期待に添えられるかどうか・・・」と内心、あわあわする。
だけれども、それを言い出す勇気のない私は、冷や汗をかきながらもとにかく笑顔を作り、ぎこちなくうなづく。
そうこうしている内に、ヨーロッパにあっても不思議じゃないくらいおしゃれなレストランにたどり着き、半オープンテラスの居心地の良さそうな大きなソファのテーブルにいる、柔らかい笑顔のお母さんと、お母さんにそっくりな2人の娘が出迎えてくれる。
14歳のお姉ちゃんは、思春期らしく、「えー!しゃべれって言われても何を話せばいいか分かんないしー」という感じで父親に抗議をして、たしなめられる。
それとは正反対に、10歳の妹ちゃんは屈託のない笑顔で、知っている単語をつなぎあわせながら、「好きなフルーツは何?」「好きなスポーツは?」などと、じゃんじゃん私に質問をしてくる。
お!これなら私の英語力でもイケそう!よし、どんど来い!と心の中で、ほっとする私。
それにしても、どこの国も年齢によって人に対するリアクションが変わってくるっていうのは一緒なんだなーと実感^^
お姉ちゃん、自分の携帯がほしいと主張し、お母さん、お父さんから「またすぐになくすでしょ。それにネットばかりやるのは良くない。まだ早い」と諭され、むくれる。
これも思春期家族あるある。
日本と一緒^^
お姉ちゃんともコミュニケーションを取ろうと、私もがんばっていろいろ質問してみる。
わたしが「将来、何をしたい?」と聞くと、「何なに?どうなの?」と両親が身を乗り出してくる。
前のめりの食いつきっぷりに、「えー?まだ分かんないしー」と、ちょっとうんざりした顔で答えるお姉ちゃん。
その横で妹ちゃんは、「私はなりたいものがたくさんあるのー。インテリア・デザイナーでしょー、先生でしょー、科学者もいいなー」と無邪気に話に入ってくる。
ほんと、どこも家族って同じだなー^^
ほっこりするなー
「ラマダンだけど、ランチをしてもいいの?」と気になったので聞いてみたら、
「ムスリムだけど、信仰の形は人それぞれで良いんだよ。だから神を信じているけどラマダンはしないんだ」とのこと。
お姉ちゃんに「やっている子いる?」と聞いたら、「そんなにはいないよ」と。
この家族は、タシケントという都会に住んでいて、先進的な生活をし、また考え方をしているのが伝わってくる。
確かにタシケントに戻ってきて、服装や町並みなど、私たちの日常に近づいてきたのを感じる。
ムスリムと一口に言っても、地域や家族、人によって、多様性をもっているんだなー
緊張のあまり写真を撮れなかったのが残念なんだけど、
おしゃれにアレンジされた、マントゥ、ラグマン、サラダなどのメニューが次々と運ばれてくる。
お父さんが、自然な感じで率先して運ばれてくる料理を家族みんなに取り分ける。
そして、「お母さんは、子どもが4人いるようなものだから、いつも大変だよ。よくやってくれているよ」と笑顔で話すお父さん。
教師をしているお母さんは、「そうよー」と少し得意そうに笑顔で答える。
なんて素敵な夫婦なんだろう。
お互いを尊重しているのが伝わってくる。
理想的な家族だなー。
憧れるなー。
(顔出しができないけど、みんな優しいステキな笑顔^-^)
私もこんな家族を作れたらいいな。
夫婦でお互いを尊重し合い、一緒にすごす時間を大事にする。
こんな家族を作れるように希望を捨てずにいろいろやっていこうと、
素敵な時間をくれたファミリーとバイバイし、一人でガタゴト地下鉄に揺られながら考えていた。
ウズを巡り、さまざまな人や場所との出逢いが、別れの辛い気持ちをリセットしてくれた。
そうした後の、今日のこの素敵な出逢い。
前に進もうという希望や理想を私に与えてくれた。
日本に戻って、日常に戻って、また自分の人生に向き合う気持ちの準備ができた気がする。
よし、日本に戻ろう!
と覚悟ができたものの、あと残り2日もあるのでした^-^;
というわけで、
~次回は、タシケントでもうやることなくなったから映画館に行ってみたよ!編~
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